【開催しました】2020年5月9日 第35回「影絵のおんがく:オンライン編」
お知らせ,活動日誌
芝の家は、現在閉室中。
音あそび実験室、この状況でも継続的にいろいろな実験をやってみよう!ということで、初めてオンラインで開催してみることにしました。
テーマは、以前「冬の音楽会」でも試してみたことがある「影絵のおんがく」です。
Zoomというオンラインツールの画面上に、次々とみなさんが参加してきます。いつも芝の家でおこなうときは、その場にいる人がなんとなく集まって、なんとなく始まることが多いので、区切られた画面上に次々と「入室」してくるのは不思議な感覚です。16窓もの方々にご参加いただき、うち約半分は初参加の方でした。1窓に2人いるグループでの参加もありました。
最初に、自己紹介タイム。今日呼んでほしい名前と、どこから参加しているか、今周りにどんな楽器があるかを、ひとりずつ紹介していきます。北は北海道から南は九州まで、全国各地からご参加いただきました。楽器も、日用品から小物楽器、管楽器まで、さまざま。家から持ち出さなくてもいいからか、いくつもの楽器を用意している方が多くいました。
次に、「せーの!」という掛け声に合わせて一斉に音を出してみます。しかし、通信環境の都合上、やはり「一斉」にはならず、画面の向こうからパラパラと音が聞こえてきます。このように、単純なことをやっても複雑なことが起こるのが、オンライン合奏の難しさでもあり、魅力でもあります。
さっそく影絵に合わせて実験してみます。はじめに、カエルとウサギが飛び跳ねる影絵に合わせて、全員で音を出してみます。
次からは、3つのチームに分かれて合奏してみることに。
最初のチームは、草木のような幻想的な風景の影絵に合わせて、カリンバや壺を中心とした森の中のようなアンサンブル。
2番目のチームは、猫とおばけが出てくる夜の雰囲気の影絵に合わせて、笛や金属製・木製の打楽器を中心としたおどろおどろしいアンサンブル。
最後のチームは、魚を中心とした海の情景の影絵に合わせて、ギターなどの弦楽器を中心としたアンサンブルになりました。
各アンサンブルの後には、やってみた感想を共有しあいました。オンラインでの合奏では、自分の音と他人の音を合わせようとしても合わないことが多く、そもそも自分の音と他人の音を脳内で合体させるのに想像力が必要だった、という意見が印象的でした。対照的に、聴いている側からすると、影絵と音はかなりマッチしていて、それぞれのチームがそれぞれに違う一つの「世界」を作り上げているのがよく分かった、という意見もありました。
対面ではなくなかなか思い通りにいかない状況の中で、それでもお互いに想像力で補いながら、一緒に何かを作っていくことの楽しさや可能性を体感できるような時間になりました。
芝の家で再び集まれる日を願いつつ、音あそび実験室では、引き続き状況に応じていろんな実験をおこなっていく予定です。「影絵のおんがく」シリーズも、新たな展開の予感…!?お楽しみに!
(こたろう)